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心地よい距離 前編

こんばんは、音子です。

幸三強化月間と言いながら、もう今年も終わりそうですね。
なのに一作品目(しかも未完)とはどういうことじゃああ!(# ゚Д゚)

お待ち頂いた方本当にすいませんー!!(土下座) ←綾様に踏まれてしまえ

この更新するする詐欺師が!
ちゃっかりミニフィギュアを競り落とす(inヤ○オク)余裕があるなら、更新せんかいっ。
・・反省します。

   それから更新を休んでいる間に、幸三や左三に拍手を下さった方、
本当にありがとうございます!!お礼が遅くなり申し訳ありません(><)


前書きが長くなりましたが、作品の注意書きです(^^ゞ

↓↓
■ほのぼの 三成視点
■クールな殿、かっこいい幸村・・はいません ヘタレ(バカ?)殿と天然幸在中
■無双2の設定  というかmy設定
■「君の素顔」から微妙に続いてます

まかり通る! という方は<続きを読む>からどうぞ。





「私は恥ずかしいのです」

目の前の幸村は、すまなさそうな表情でそう言った。
唐突に投げかけられた言葉。 
そう。この男は時折、突拍子もないことを言いだすのだ。
そしてそれは、俺を冷静でなくさせる。
嫌な予感を覚えつつ、俺は幸村の顔を見上げた。

                           *

今はとある戦の最中で、俺達は本陣にいる。
日も暮れかけているから、申の刻位だろう。空が赤い。
俺は兵糧や武器の補給について指示を出していた。
普段と変わりない作業だが、幸村が行動を共にしている点が違う。

幸村は上杉から秀吉様の元へやって来た男だ。
名目上は人質。
だが秀吉様は武勇に長け誠実な幸村をお気に召され、側に仕えさせている。
今日も幸村を伴っての出戦だったが、

まあ急ぐ戦でもない。俺が呼ぶまで、三成の仕事ぶりでも見てろや
たまには新鮮じゃろ?

笑ってそう申されたらしい。
結局秀吉様から幸村にお声が掛かることはなく、終日俺の傍らにいた、という訳だ。

今日一日を総括すると、幸村は本当に俺の仕事を見ているだけ。
まるで役に立たなかった。
兵站(へいたん)の作業は、作戦・味方の配置・兵数などあらゆる事項を把握しておかねばならない。
もとより幸村の働きに期待などしていなかったが、何か手伝いたいと熱心にせがむので、
いくつか仕事を任せてはみた。
・・結果は、勝手が分からず右往左往するばかり(まあ当然の結果だが)
結局己でやった方が早いと、役目を取り上げてしまった。

幸村が何度も済まなさそうに謝るので、「謝罪禁止だ」と言っておいたのだが。
今度は何を言い出すつもりなのか。
続きを促すと、幸村はゆっくりと語り始めた。

「三成殿を拝見していて思ったのです。私は戦になると、槍を振るうことだけで頭が一杯で」
「そうだろうな」
それは今日の一件でよく分かる。

「こうして後方で支援してくださる方がいることなど、考えもしませんでした」
「 ・・・ 」
「兵糧を頂けることを当然と思っていた-その驕(おご)りが、恥ずかしいのです」

俺は思わず眉根を寄せてしまった。
恥ずかしい恥ずかしいと言いながら、
幸村はこういうことをてらいもなく言ってのけるのだ。
俺からすればその神経が分からぬが・・上杉時代に兼続から悪い影響を受けたのだろう。

全くこいつは出会った時からそうだ。
初めて二人で話した時も、
「三成殿ともっとお近づきになりたい」
「これからもずっと友でいさせてほしい」と。
ひどく熱っぽく語り出して、対応に困ってしまった。

悪い奴ではないが、素直すぎてどう扱って良いのか分からない。
幸村を見ると、何故か柴の子犬を思い出す。
幸村のでかい図体に子犬、というのもおかしな話だが-この二つは似ていると思う。

真っ直ぐで、疑うことを知らない目
やたらに尻尾を振り、誰にでも懐く愛想の良さ
どこか危なっかしいところ

・・・俺は犬でも猫でも、子のつくものは苦手だ。
とは言え無視する訳にもいかない。

「猪武者共は、俺がいなければ戦も出来ぬのだよ」
「ええ、その通りだと思います」

正則あたりが聞いたら逆上しかねない台詞だが、幸村は真面目に頷いた。
暖簾に腕押し。ぬかに釘。 まるで手ごたえが無い。
あまりに素直な返答に、毒気を抜かれてしまう。

「フン・・分かればいいのだ」
「いつもありがとうございます、三成殿」
居心地の悪い俺とは正反対に。
幸村はそう言って、屈託の無い(晴れやか、とでも言うのだろうか)笑みを見せた。


こいつは何故簡単にそんな表情が出来るのだろう。そして何故その顔を俺に向ける!?
どんな顔をすればいいのか、困るだろうが!

俺は誰かに憎まれこそすれ、面と向かって感謝されたことはない。
それが普通だと思っていたし、別に辛いとも思わなかった。 
馬鹿共が何をわめこうが、俺は痛くも痒くもない。

なのに今はどうだ。
幸村の一挙一動に、振り回されてばかりではないか。


「べ、別にお前のためにやっている訳ではない! 武骨者には逆立ちしても出来ぬ
 芸当だからな。 俺でなくては務まらぬ」
「ええ。逆立ちなどしては、余計に出来ません」

天然に見えて、妙なところで口が回る。
これではやっきになって弁解している俺が、阿呆のようだ。
やはり幸村といると、調子が狂う。
これほど早く会話を切り上げたいと、思ったことは無かった。


「とにかく、全ては秀吉様の天下のためだ」

これで片がつくだろう。そう考えての答えだったが。
幸村は何を思ったのか、さすがは三成殿などと感心している。

「その高き志、尊敬いたします」
「・・ッ」


幸村と話をしていると、いつも「三成殿は素晴らしい」だの「尊敬している」だの
というオチになる。
おだてても何の得にもならぬというのに。なぜか俺を誉めたがるのか。理解不能だ。
俺は元々気の長い性分でもないが、堪えきれなくなってしまった。

「もうよい!明日は出陣のお声が掛かるかもしれぬ。今日はもう休め!」
「あ、はい!」

多少言い方がキツくなってしまったが、こうでもしなければ俺の身が持たん。

慌しげに「では」と頭を下げた幸村だったが、
「三成殿、あまりご無理はなさらないでくださいね」
としっかり言い残して去っていった。

眉をハの字形にして、心配とすまなさの入り混じった顔を見せた幸村。
お前はどこまでお人よしなのだ。

何だか、ひどく疲れた気がした。

                         *


赤い鎧が遠のき、見えなくなるのを確認してから
俺はフーッとため息をついた。

顔に血が集まっているような感覚が、抜けない。
早くこの熱を冷ましたくて、俺はあたりを歩き回った。

随分と冷たくなった北風に当たっても、冷めぬ熱に苛立ちながら。
心の中ではその火照りの理由にも気が付いていた。



苦手だ苦手だと言いながら。

本当は、嬉しいのだ。
己の平懐ぶりに構うことなく、懐いてくる幸村が。



だが、それしきのことで喜ぶのも馬鹿らしいではないか、とも思う。

幸村が人懐っこいのは周囲の皆に対してであって、俺だけが特別、という訳ではない。
奴にとってはそれが普通のこと。
俺をやたらに誉めるのも、武門の真田の家にはいない類の人間だからだろう。
要は、物珍しいのだ。

そんなありふれた行為を、何か特別なことのように感じている、己が浅ましい。

ただ一言、礼を言えば済む話なのだと-頭では分かっている。
だが自尊心が邪魔をして言えない。

結局上手く言い返すことも出来ず、年下の幸村に敵わないと思わせられ。
かき乱されるばかり。


嬉しい。悔しい。腹立たしい。恥ずかしい。


己の中で次々と感情が生まれては渦巻く。
嬉しくて腹立たしい? 矛盾しているではないか。
己の感情を制御することなど、簡単だったはずなのに。
一体俺はどうすればよいのだ。

鉄扇を乱暴に開閉させながら悶々としていると、
「扇が壊れちまいますよ?」
どこからともなく現れた左近が、声を掛けてきた。


「殿も幸村には敵いませんなあ」

“殿のことはお見通しですよん”とでも言いたげなニヤけ顔で、俺の顔を覗き込む左近。
どうやら一部始終を見聞きしていたらしい。
いつも余裕を漂わせている軍師の姿も、今は苛立ちの種でしかない。
左近のくせに盗み聞きとは、許せぬ。

今日も滞りなく任務を終えて、完璧な一日になる筈だったのに。
幸村も左近も、皆が俺の心をかき乱す。 

ああ、思い通りにならぬことばかりで無性に苛立たしい。

「黙れ左近!うっとおしいのだよ!」
「のわっ」
腹の立つ軍師には地雷をお見舞いしてやることにした。


そうだ。
元を正せば、口を開くたび俺を困らせる幸村が悪いのだ。
俺とて、いつまでも現状を黙認してやるほど甘くはない。
何とかこの状況を打破してやる。
俺は心に誓った。




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音子(ネコ)

Author:音子(ネコ)
♀ 関西在住
アニバサ→歴史小説→無双へ 
殿の美貌にメロメロです・・・v
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